中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

年収860万円から60万円へ転落、私はどうやって生き残ったか

支出を減らすため、家賃も抑えた

支出を減らすため、家賃も抑えた

 27歳の年でサラリーマンとして年収860万円をもらっていたが、翌年会社を辞めて年収60万円に──。1年後の年収が前年の6.98%になった経験を持つネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、年収が激減した場合でも焦らぬための生活スタイルを語る。

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 2000年、27歳にして860万円といえば、20代のサラリーマンであればなかなか良い収入だったと思います。しかし、私は転職をするでもなく突然会社を辞めました。アテがあったわけでもないのですが、辞めたかったので辞めたのです。結果的に翌年の年収は60万円で、いかに自分の実力・能力ではなく、会社の看板及び先輩方の信用が多額のお金を自分にくれていたのか、と改めて会社に感謝です。

 あてもなく辞めるにはある程度の貯金が必要でしたが、貯金は550万円ありました。だったらまぁ、なんとかなるか。節約すればしばらくは食いつなげるか、と考え、それほど迷うことなく無職となり、後に貧乏フリーライターになるのでした。こうした判断をする時は、二つの選択肢が与えられます。

【1】お金はけっこうもらえるけど、色々我慢をし、ストレスフルな人生を送る

【2】貧乏だけど、何のストレスもない生活をする

 基本的に私がイヤだったのは、長時間の会議や、突然顧客から呼び出されて無理難題を押し付けられたり、いちいち上司の顔色を伺ったり、自分の仕事が終わっても他の人が帰っていないだけに自分も帰れなかったり、他人宛の電話を繋ぐような行為です。つまり、サラリーマンがもはや向いていなかったのです。

 しかも、当時は最寄り駅まで自転車で15分、満員電車で1時間半の通勤だったので、「そこまでしてこの仕事を続けるのは人生を毀損する」と考えました。会社は辞めたのですが、何をこれからするか分からない中、とりあえずすがったのが貯金です。しかし、もっと重要なのが「欲望を抑える」ことに他なりません。

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