「65才までに用意したい老後資金は夫婦で3000万円」といわれるものの、住宅ローンや教育費に追われる40代が老後資金まで貯めるのは至難の業。「50代こそ人生で最も貯金できる時」と専門家は語るが、中には50代で貯金ゼロという人も。イラストレーターの上田惣子さん(53才)もそのひとり。
将来設計をせず仕事が激減、貯金ゼロで50代に突入――自らの体験をまとめたエッセイ漫画『マンガ 自営業の老後』(文響社刊)を執筆し、マネー設計に目覚める。持ち家で、自営業の夫と2人暮らしの上田さんが、貯蓄ゼロからの再スタート方法を報告する。
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イラストレーター歴25年。マネープランに無頓着だった私が、現実を知ることになったのは、47才の時でした。
30代までは仕事に困らず、多い時でレギュラー17本、月の締め切り25本。むしろ寝る間もない忙しさ。収入は安定していたし、そもそもお金にズボラな私。入金確認などしなくても、充分生活できたので、振り込みやお金関連の手続きはいつも後回し。家計簿は3日坊主で、確定申告も夫任せ。もちろん、収入支出なんて、全く把握していませんでした。それでも、このままの生活がずーっと続くんだろうなと気楽に構えていたんです。ところが…。