実店舗がないので駆け込む窓口がなく、電話サポートにかけても一向につながらないといった苦情や、使う予定だった大手キャリアの端末が使えなかったといった事例が報告されている。
端末とセットで販売される格安スマホの中には、イオンモバイルやTONEモバイルなどAPN設定を済ませた端末を送ってくれるところもあるので、こうした業者を選べばハードルは低いかもしれない。また、楽天モバイルは対象端末の購入者に出張サポートサービスを提供している。また手持ちの端末を使う場合は、契約したいMVNOで動作確認がされているかを必ずチェックしたい。
ちなみに、大手キャリアから乗り換える場合は、いわゆる「2年しばり」の解約金が発生することがある。2か月間の更新月以外だと解約金がかかるプラン以外に、2年経過後は解約金不要の場合などもあるので、まずは契約プランを確認しよう。一般的には、9500円の解約金よりも乗り換えによる減額効果のほうが高いので、更新月が先の場合は待たずに解約するほうが有利なことが多い。
ただし、端末料金を分割で支払っている場合は、途中で格安SIMに乗り換えても残債の支払いは残る。端末を購入してから2年間は端末ごとに設定された割引が受けられるが、解約後の残債には適用されない。
割引額や残債額によっては乗り換えても実質的な負担は軽くならない場合もあるので、新しい端末を使っている場合は慎重に検討したい。また、格安SIMのなかには契約から1~2年経過すると月額料金が上がるプランがある点も要注意だ。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー、ライター)
※マネーポスト2017年夏号