相場というのは必ず「テーマ」があるもの。そのテーマを知るために、どうやって相場を分析すれば良いのか? 為替ディーラーとして長く活躍したバーニャマーケットフォーカスト代表の水上紀行氏が解説する。
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相場は「テーマ」をもとにして動きます。テーマとは相場の指針であり、それによりブル(強気)な投資をする者、ベア(弱気)に投資をする者が現われ、相場の駆け引きが繰り広げられるわけです。
相場のテーマを知るためには
まず相場のテーマを知るために必要な分析方法について見ていきましょう。相場の分析法には、大きく分けて、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析があります。
テクニカル分析は、そのわかりやすさから、初心者からも、経験者からも好まれることが多いといえますが、今の相場はなにをテーマにしているかということを分析するための方法としては、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)分析の方に軍配が上がります。
具体的にどのようなものをファンダメンタルズ分析というのかといえば、たとえばGDPとか、失業率とか、消費者物価指数とか、あるいは各国・地域の中央銀行の金融政策とか、極めて経済学的なアプローチをファンダメンタルズ分析と呼んでいます。
ファンダメンタルズ分析は、とっつきにくいところもありますが、こと今の相場のテーマはなにかと聞かれれば、景気動向であったり、雇用状況であったり、またそれらを踏まえた中央銀行の金融政策がマーケットのテーマになるわけで、この点においては、テクニカル分析は、ファンダメンタルズ分析には、遠く及びません。