いつからか投資の世界では、1億円以上を稼ぎ出した投資家のことを「億り人」、10億円以上稼ぎ出した投資家を「自由億」と呼ぶようになった。彼らは、いかにして資産を築き上げているのか? 横這勝利さん(ハンドルネーム・40代・投資歴22年・総資産10億円)が、自身の投資遍歴を振り返る。
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小学生のころ、『松本亨の株式必勝学』というファミコンゲームをやって、「働くとは違う方法でお金を殖やすことができるんだ。大人になったら株をやるべき」と感じたのが、株式投資に興味を持った瞬間でした。
中高生の頃は新聞の株価欄を毎日保存して、パラパラ漫画みたいにして見ていたものです。
そして、大学生になってすぐ10万円でミニ株を始めました。当時は手法もなく、値ごろ感だけでやっていて、ダラダラと損し続けました(笑)。1990年代後半はマーケット環境も悪く、選別眼もなかったせいで、保有株のうち3社が倒産したことも……。
大きな転機は2009年でした。1月、平均8万円で600万円分買っていたアクセスが不祥事で上場廃止になったのですが、5月に親会社が「13万円で株を買い取ります」と発表。
400万円ほど儲けることができたんです。当時「親子上場の解消」が市場で進められていたので、「親子上場している子会社を買えば、株を買い取ってくれるんじゃないか」と、TOB(株式の公開買い付け)されそうな銘柄を探していました。
TOB観測記事が出た吉本興業や、不祥事が発覚したローソンエンターメディアは、ローソンが責任を取るんじゃないかと買ってみたり。結果的にどれも実際に高く株式を買い取ってもらえたのです。
1億円を達成したのは2011年でした。