ロンドンフィキシングで相場が加速する傾向も
このトレードで重要なのは、もともとのトレンドが下落相場であるときに限定して実施する点にある。トレンドが下を向いているときに実需で無理に上げても、それは瞬間的な歪みでしかなく元に戻りやすい性質があるので、それを利用するのだ。
そもそも、そのときのトレンドがどちら方向なのかを見極めるのが難しいこともあるが、そういうときは前夜のニューヨーク時間の値動きが参考になる。また、米ドル/円は日経平均株価と連動しやすいので、9時に始まる日本の株式市場の動向も判断材料となるだろう。
ちなみに、このトレードで使うのは1分足チャートで、ローソク足よりもトレンドが視覚的にわかりやすい平均足がおすすめだ。仲値で上昇した後にもみ合って垂れてきたタイミングでショートし、狙い通りに下落したら利益確定する。大きな値幅は期待せず、早めに終わらせるのがポイントだ。
仲値は東京時間のイベントだが、ニューヨーク時間には通貨オプションの権利行使期限である「オプションカット」、ロンドン時間には世界の金価格が決まる「ロンドンフィキシング」と、それぞれ相場が動きやすい時間帯がある。
最近の傾向としてはロンドンフィキシングで、それを超えると「タガ」が外れたように相場が加速すると感じることが多い。たとえば、節目を何度か試しながらも超えたり割ったりできずにいるようなとき、ロンドンフィキシングを通過した途端にあっさりその節目を突破し、そのまま加速するようなことがあるのだ。
この現象が現われると、その後のニューヨーク時間でトレードの方向性がわかりやすくなる。興味のある人は意識してみてはいかがだろうか。
※マネーポスト2017年夏号