何かとお金がかかる引っ越し。できるだけ費用を抑えたいと思うのがほとんどの人の思いだろうが、悩みどころなのが引っ越し作業員に対する「心づけ」だ。
「心づけ」とは、作業員に対する謝礼。引っ越し業者に支払う料金とは別に、当日に来た作業員に直接昼食代などの形で渡すお金のことだ。不動産会社に勤務するAさんはこう話す。
「30年前くらいまで、作業員に心づけを渡すことは一般的でした。金額的には昼食代程度なもので、1人1000円くらいで十分。でも、最近は心づけの習慣もなくなりつつありますね。引っ越し業者の方で断っていることも多いです」
たしかに、各引っ越し業者の公式サイトを見てみると、作業員に対する心づけについて、
〈当社引越作業スタッフへの心遣いは必要ございません〉(アート引越センター)
〈すべてお断りしていますので、お気遣いいただかないようお願いします〉(日通)
〈アーク引越しセンターでは心づけ拝辞をしております。つねによいサービスをご提供いたしますのでご安心ください〉(アーク引越しセンター)
〈当社のスタッフにはそのような心遣いはご不要です〉(サカイ引越センター)
といったように、“必要ない”と明記しているケースが多い。