香港市場では今年に入ってから、マカオカジノ関連銘柄が上昇している。6月23日の終値を昨年12月30日と比較すると、メルコ・インターナショナル(00200)が94.5%、ウィン・マカオ(01128)が51.2%、澳門博彩控股(00880)が40.7%、銀河娯楽(00027)が40.6%上昇している(権利落ち修正株価で比較)。
同じ時期のハンセン指数は好調で16.7%上昇しているが、それを大きく上回っている。同業他社でサンズ・チャイナ(01928)、MGMチャイナ(02282)はハンセン指数よりも低い伸び率に留まっているものの、その2社を考慮しても、セクター全体で大きく買われているといえよう。
株価上昇の要因は、業績が好調だからである。マカオ政府が発表するカジノ収入を見ると、2015年2月は前年同月比48.6%減まで落ち込んだが、そこをボトムに回復、2016年8月はプラスに転じており、2017年5月は23.7%増となっている。2017年1-5月累計でみると、15.8%増である。
マカオカジノの収益源は中国人、特にVIP客である。彼らの資金は違法に中国から流出させた資金が多いと言われている。マカオカジノがマネーロンダリングに使われたり、高額接待に使われたりしているようだ。どの程度、そうした不健全な資金であるかはわからないが、結果として、習近平政権による汚職取り締まり強化により、マカオカジノ収入はドラスティックに減少し、それがひと段落し、落ち着きを見せ始めると同時に回復に転じている。