山田:まあ、お互い飽きてるといえば飽きていて、一緒にいる理由もよくわからない。だけど別れる理由もない。こんなんだったら離婚した方がいいんじゃないかって1000回ぐらい話してるんだけど、彼が離婚を経験しているので面倒くさいらしく。なので、私は離婚というより、未亡人を希望しているんです(笑い)。それでたまに考えるのよ、財産分与。旦那は私が買った家に一緒に住んでいるわけで、離婚したらどうなるんだろう…って。
それで、ずいぶん昔、母に相談したら、「今住んでいる家は、私(母親)の名義になっているからとられないよ」って。ただセカンドハウスは主人と一緒になってから買ったもので、主人の名義になっているものもあるので、これはあげるんだろうな…って。
堀井:お母さん名義の家でも邦子さんの結婚後の稼ぎで買った場合には、夫婦の共有財産と判断されます。ご主人名義のセカンドハウスも同様です。「名義」は誰でもお金の出どころが結婚後の夫婦からのお金であれば共有財産になります。邦子さんがもし離婚した場合、財産分与の対象になるのは結婚後に増えたものだけです。
山田:ローンが残っている家の財産分与は?
堀井:これは厄介。住宅ローンが残っている家の処理を巡って協議が難航するケースがよくあります。家の価値が高く売却額がプラスであれば、差額を夫婦で分けるというのが基本です。
ところが、「マイナスの場合は、夫婦共有財産でも分けない」というルールがあります。例えば、邦子さんが購入した家で、名義がご主人という場合。その家の価値が1000万円で、ローンが2000万円残っているとします。このマイナス1000万円の家は「経済的価値なし」と判断され、財産分与の対象にはなりません。
家を購入してもしばらくはローンの方が高いので、財産分与でプラスになる家は本当に少ないんです。