【鹿島線(佐原~鹿島神宮)】
「鹿島線は、こういった特集であまり取り上げられることがありませんが、沿線には香取神宮や鹿島神宮、古い街並みが注目され“小江戸”とも称される佐原など、見どころはいくつもあります。
佐原を出発し、成田線との分岐駅となる香取駅を過ぎると、列車は利根川を横断。左右に広がる水田を眺めながら進むと、田んぼの中にこつ然と現れる高架駅・十二橋駅に到着します。そして列車は常陸利根川を渡り、橋幸夫の名曲でおなじみの潮来(いたこ)に到着。さらに終点・鹿島神宮の手前でも北浦(霞ヶ浦を構成する湖の1つ)を渡り、わずか20km足らずで大きな橋を3つも渡る路線です。
晴れた日には、キラキラと輝く水面と、整然と並んだ水田の緑が楽しめます。鹿島線は雨風に弱いので、出かける際にはぜひとも快晴の日を選ばれると良いと思います」
【水郡線(水戸~郡山)】
「鉄道をはじめとした交通網、道路網が発達しきった関東地方において、奇跡とも言えるローカル色の濃さを誇るのが、この水郡線です。何しろ全線約140kmという長大な路線ながら、特急や急行が走っていないのが、そのローカルぶりを表しています。
水郡線には『奥久慈清流ライン』という愛称が付けられており(あまり定着していませんが……)、その名の通り、列車は久慈川沿いを延々と進みます。車窓には田んぼ、畑、そして豊かな自然が広がり、通過するのはきっと初めて聞く地名ばかりのはず。沿線随一の観光スポット、袋田の滝は袋田駅からちょっと距離があるのでご注意ください」