政策金利8%と、世界屈指の高金利通貨であるトルコリラ。FXや外貨預金を通して、日本人投資家の間でも人気を集めている。これまでトルコリラの相場は下落基調にあり、歴史的安値圏を推移しているが、明るい兆しも見え始めているという。
業界の中でも早くからトルコリラ/円の扱いをスタートさせた大手FX会社、セントラル短資FX株式会社取締役・開発部長の伊藤雅博氏に話を聞いた(以下、「」内は伊藤氏のコメント)。
トルコリラの特徴とマーケット状況について
「当社がトルコリラ/円の取扱いを始めたのは2013年11月です。2013年に大手格付け会社がトルコ国債の信用格付けを『投資適格』に引き上げたことからサービス提供を検討し、インターバンクでのトルコリラの流動性を確認したのち、スタートしました。
トルコリラの魅力は、やはり高金利をベースとしたスワップポイントの高さです。現在トルコの政策金利は8%で、受け取れるスワップポイントは1万通貨あたり1日90円程度です。当社でトルコリラ/円をお取引されている方も、スワップポイントを目的に買いから入る方が多いようです。
近年のトルコリラ/円相場は、米国の金融引き締め政策に合わせて、下落トレンドが続いていました。トルコリラ/円を買い持ちしている投資家にとって、厳しい相場だったと思います。
しかし、2017年1月に29.05円程度まで下落した後は30円前後に落ち着いており、6月26日には31.90円台まで上昇、久々に200日移動平均線を超えてきました。予断は許しませんが、トルコリラ相場に変化が表れているという見方もできます」
トルコリラに投資する注意点は?
「トルコリラへの投資は、あくまで分散投資のひとつとして考えた方が良いでしょう。トルコには中東情勢に左右される地政学リスク、エルドアン大統領の独裁など政局リスクが存在します。レバレッジは抑えて、中長期的な視野で運用を行うべきです。
また、スワップポイントが高いからといって、買い一辺倒に考える必要はありません。トルコリラ債券に投資している方が、ヘッジとしてトルコリラ/円を売る方法も有効です。
トルコリラ/円のマーケットは、数年前と比べて格段に成熟しています。買い注文だけでなく、売り注文も増えているため、流動性が高まり、マーケットに厚みが出てきました。当社では、こうした状況を鑑み、FXダイレクトプラスにおいてトルコリラ/円をはじめとする3つの新興国通貨ペアの取引条件を6月26日に大幅に改定しました。
トルコリラ/円のスプレッドを2.5~6.0銭に縮小し、必要証拠金も10%(最大レバレッジ10倍)から4%(最大レバレッジ25倍)に変更となり、ますます有利な条件でトルコリラ/円に投資できる環境となっています」