史上最年少でプロ入りし、破竹の勢いで勝ち続ける藤井聡太四段(14)の活躍により、将棋界に世間の目が集まっている。将棋の棋士というのはどのぐらい稼げるのか? 将棋関係者への取材も多いフリーライターが語る。
「将棋界は毎年、『獲得賞金・対局料ベスト10』を発表しますが、2016年の1位は羽生善治三冠で9150万円。10位になると1849万円です。まずはこれを多いと見るか、少ないと見るかでしょう。現在プロ棋士は約160人いますが、1000万円を超えるのは恐らく1割程度。“下の方”の棋士の年収は300万~400万円程度です」
世間での話題度を考えると、思ったより少ないようにも思われるが、勝てば勝つだけ収入が増えるというシステムはシンプルで、モチベーションも保ちやすそうだ。しかもバイト的な副収入もあるという。
「将棋連盟は、いわゆる“営業”のような仕事も行っています。具体的には、企業や個人に稽古をつけたり、詰将棋を作ったり、将棋大会に出向いたりといったことです。稽古については料金がHPで明らかにされており、『四段 月1回 3時間以内』で3万7800円。こういった副収入の道も確保されています」
プロ棋士一覧を見ると、現役最年長棋士だった加藤一二三九段は、つい先日77歳で引退してしまったが、60代の現役棋士は何人もいる。現役生活の長さを考えれば、生涯収入がかなりの額になる人も少なくないだろう。(了)