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プロ棋士になるにはどうすればよい? 「奨励会」の過酷な現実

「奨励会員は原則26歳までにプロ棋士になれなければ、奨励会を去らなくてはなりません。毎年、年齢制限によってプロ入りの道を絶たれた人たちが、寂しく将棋界を去っていきます。10代前半から青春のすべてを将棋に捧げてきた人間が、プロ棋士になる道を絶たれるわけですから、これほど残酷なことはないでしょう。

 現在では、アマも参加できるプロの公式戦で目覚ましい活躍をすれば、編入という形でプロ入りの道が残されていますが、その編入試験を受けるためにも『プロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績』という、とてつもなく高いハードルが設定されています」(同前)

 プロになるのが厳しいのはどの世界でも同じこと。それでも子どもがプロ棋士になりたいと言った場合、どうすればよいのか?

「かつては高校に通っていると、『こいつは将棋に賭ける気がない』と、バカにされるのが当たり前だったほど“やさぐれた”世界でしたが、今ではみな学校に通い、中には東京大学に通いながらプロ棋士になった片上大輔六段のような例もあります。よほどの飛び抜けた才能がある人は別ですが、奨励会に入るだけでも大変なので、まずは学校に通いながら奨励会入りを目指すのが現実的だと思います。

 ただし、実際にプロ棋士のアンケートを見ると、遅くとも10歳までには将棋を始めていないと厳しいという現実はあります。『16歳で将棋を覚えた』という森けい二九段のような例もありますが、これは超レアケースでしょう。始めるのはやはり早いに越したことはないでしょう」(同前)

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