特に女性は、男性に比べて比較的長生きなので、結婚していたとしても、最後はおひとり様になる可能性が高い。それだけに、妻の年金は夫の年金と時期を少しずらして夫より数年繰り下げるか、思い切って70才受給にするのも手である。ただし、71才以上の繰り下げに増額はなく、年金を受け取る権利は5年で消滅するということも覚えておこう。
「公的年金のほか、企業年金、個人年金保険に加入しているなら、年金が入るスケジュールと、夫婦の年金+その他の合計所得の数字を出し、“見える化”しておきましょう」(井戸さん)
というのも、介護費の自己負担が1割になるか2割になるかは、夫婦の合計所得が346万円以上かどうかで決まるからだ。
また、高齢者医療費も今年8月と来年8月に上がるため、なるべく負担を軽くするには夫婦の合計所得が211万円未満になるように調整する必要がある。
年金などは一気に満額もらうのではなく、夫婦で入る額を計算し、低額を長く受給する、そんな“チビチビ受給作戦”でいくのが賢い選択だ。
※女性セブン2017年7月27日号