過去を振り返ると1987年、1997年、2007年のそれぞれ夏から秋にかけて大事件が勃発して、相場が大きく下落しています。そのため、「2017年の今年もそろそろ何か大事件が起こるのではないか」と警戒して売りポジションを保有するトレーダーが多いのではないか、と想定されます。
また、米トランプ政権に対する不透明感や、アメリカ経済に対する不安などによって、「そろそろドルが売られるのではないか」と考えるトレーダーも少なくないのかもしれません。
そして、このように下落に対する警戒がマーケットに広まると、トレーダーの多くは「大多数が下落すると思っているのだから、実際に相場が下落する可能性が高いだろう」と考えがちです。
しかし、現状の売買比率データを見る限り、そうした状況にはなりづらいと私は考えています。このように大多数のトレーダーが「下落する」と考え、売り残が膨らんでいる今のような状態で、相場が一気にガラガラ下落する可能性は低いということです。
なぜなら下落したとしても売りポジションに対する買い戻し決済が入ってくるからです。むしろ、相場が一旦上昇し始め、売りポジションのロスカットによる買い戻し決済が大量に入って相場が大きく上昇するような可能性の方が高いと想定されます。
もちろん、“7のつく年に関するアノマリー”を無視することはできないので、資金管理を徹底することは必要ですが、今の段階で下落を大げさに不安視する必要は無いと私は見ています。