中国経済の回復によって最も影響を受けるのは、日本から中国への輸出、中国からみれば輸入である。この輸入が大きく伸びている。
改めて上半期の輸入を示すと18.9%増であった。輸入製品の中で、増加が目立つのは、全輸入の9.5%を占める原油や、4.8%を占める鉄鉱石などで、それぞれ59%増、60%増となっている。そのほか、石炭、石油製品、天然ガス、ゴム・合成樹脂、大豆、食用油など、国際市況商品の輸入(金額ベース)が大幅に増えている。国際商品価格の変動が、輸入急増の主な要因となっている。
一方、全体の43.9%を占める電機製品は、8.5%増であった。この内、全体の12.6%を占める集積回路は9.4%増であった。全体の伸びほど高いわけではないが、安定した伸びを示している。こちらの部分は国際市況商品と違い、日本企業にとって大きな影響のあるところだ。
国・地域別では、第1位はEUで13.2%を占めており、伸び率は13.9%である。第2位はASEANで12.2%を占めており、伸び率は22.9%である。第3位は韓国で9.4%を占めており、伸び率は9.3%である。以下、日本、アメリカ、台湾と続き、伸び率は順に15.6%、19.8%、10.4%となっている。
THAAD配備問題で韓国との関係が悪化している。また、民進党が政権を取ったことで台湾との関係がギクシャクしている。こうしたことが影響しているかもしれないが、両国からの輸入の伸びが平均以下となっている。それに対して、貿易構造上、これらの国・地域と競合関係にある日本が両国よりは高い伸び率となっている。