「プロ野球の人気球団が優勝する年は、景気が上向いていることが多い」と話すのは、景気のジンクスに詳しい三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストだ。
「プロ野球は観戦する人が多い国民的スポーツ。人気球団が強いと消費者マインドが上向き、景気に良い影響を与えると考えられます」(宅森氏。以下「」内同)
宅森氏の分析によると、人気チーム同士で日本シリーズを争う年は景気拡張局面にあたることが多い。各球団の人気はそのときの成績や注目選手の有無などで前後するが、最も安定した人気を誇るのはやはり巨人軍こと読売ジャイアンツだろう。今も昔もその人気は不動で注目度も高く、リーグ優勝や日本シリーズ優勝で最も景気浮揚効果が高いのは巨人と考えられるという。
「中小企業の経営者にもファンは多く、巨人が強いと設備投資が増えて景況感が上向く傾向もあります」(宅森氏)
ところが、2017年のペナントレースでは、巨人の成績不振が続いている。スタートこそ好調だったが、5月25日から6月8日までの間に球団ワースト記録となる13連敗を喫し、球団フロントが途中交代する事態となった。連敗を脱してからも、Bクラスから浮上できない状態が続いている。