私は7月上旬から中旬にかけて、イタリアのシチリア島に行ってきました。シチリア島と言えば、5月にタオルミナでG7サミットが行われたことも記憶に新しいですね。また、イタリア経済に関しては近年ネガティブな報道も数多く出ていますが、実際に現地を訪れることで新たな一面を見ることもできました。
では、現地を訪れて私がどのような情報を得たのか? その一部を共有させていただきたく思います。
イタリア経済の深刻な南北格差
今回の旅行ではG7サミットが行われた際に記念撮影などが行われた劇場跡や、G7に参加した各国の首脳が宿泊した地中海に面したホテルなども見てきました。
G7の時、夜の晩餐会にオペラ座から演奏者が招かれて演奏会が行われたそうなのですが、演奏者のみなさんはプロであるにもかかわらず特別な日ということで、2日前から練習をして本番に挑み、結果的に他の国には無いイタリアらしい独特のおもてなしがなされた、という裏話も聞きました。
とはいえ、現地で聞いて特に印象に残ったのが「格差問題」に関する話でした。イタリアは南北で非常に大きい格差があるとのこと。南イタリアは、アーモンド、オリーブ、オレンジ、レモンなどの栽培、つまり農業がメインで、日々食べることで精一杯というような困窮した経済状態にあります。
一方で北イタリアは工業が発展していることから富裕層が集まっていて、南北の経済格差が異常に広がっている現実があります。ですから、南イタリアから北イタリアへと逃げてしまう人が多く、南イタリアの人口が減少し続けているのです。