「総合商社」も配当利回りが高い
大型株でも、高配当利回りになりがちな業種(セクター)があります。それは、「総合商社」です。大手3社の配当利回りは、以下のようになっています。
銘柄 | 株価 (2017年5月末日終値) |
配当 (会社予想) |
配当利回り |
三井物産<8031> | 1495.5 | 60.00 | 4.01 |
住友商事<8053> | 1412.5 | 50.00 | 3.54 |
伊藤忠商事<8001> | 1573 | 64.00 | 4.06 |
日本を代表する商社で、おまけに高配当利回り。こんな安心な銘柄はない……と深く考えず買ってしまいそうになりますが、もちろんリスクはあります。
総合商社のリスクとは何か。それは、資源価格が下落することです。総合商社というのは、利益の半分以上を資源(鉱物、エネルギー)から得ています。これらの市況が会社の想定よりも下がると、利益も下振れることになるのです。
「配当性向」をチェックするべし
また、配当を見る場合は「配当性向」にも注目しましょう。配当性向とは、純利益(税引後利益)から配当金をどのくらい支払っているかをパーセンテージで示したものです(配当÷1株当たり純利益【EPS】)。したがって、配当性向の高い企業ほど「株主還元が高い」と言えます。
総合商社は配当性向が20~30%と高くないので、要するに「株主還元が低い」ということになりますが、言い換えると、「配当の余力がある」ということになります。つまり、配当が減るリスクが少ないと言うこともできるのです。
反対に、配当性向の高い銘柄は、業績の変化による配当の増減も大きくなります。つまり、多少の業績悪化であっても配当が減ってしまうリスクがある、ということです。
常にリスクを考える
配当を狙った投資を行う際には常に「リスクは何か?」を考えることが重要です。各企業が出している決算短信には「事業等のリスク」という項目があるので、ここを必ずチェックするようにしましょう。
このようにリスクを考えて、それを確認して、総合的に判断する……という「頭の体操」をしながら投資をする習慣をつけると、結果が思わしくなくなったときにも慌てなくて済みますし、投資家として成長することができます。