ここまで聞くと、とことんお金がかからない将棋だが、Sさんは“贅沢”も楽しんでいるという。
「数年前に、将棋の駒で有名な山形県の天童市に将棋部の仲間と遊びに行き、10万円もする手掘りの駒を買いました。それから年に数回、関東近郊のデパートなどで開催される“将棋まつり”に出かけて、プロ棋士と指導対局を楽しんでいます」
デパートなどで行われる将棋まつりでは、2000~3000円を払うとプロ棋士と対局(指導対局)ができ、Sさんはすでに30人以上のプロ棋士や女流棋士と対局したことがあるそうだ。Sさんの将棋人生を総合すると、大きな出費が、
・将棋の駒 10万円
・指導対局 2500円×30人=7万5000円
で、その他のランニングコストが、
・将棋サロン 年20回=5万円
・将棋雑誌購入費 800円×12か月=9600円
となり、合計77万1000円。将棋熱が復活してからの10年間で、出費は月6500円程度という計算だ。しかもこの額は、さらに減りつつあるという。