【土讃線(多度津~高知)】
「香川県から徳島県を通って高知県に抜ける土讃線は、四国の重要幹線にして絶景区間が多い路線。さまざまなタイプの絶景が楽しめる路線です。
香川県側から乗車すると、第1の必見ポイントは坪尻駅。この駅は、全国でも数少なくなったスイッチバック駅です。駅を降りても人家もなければ道路もなく、『なんでこんな所に駅が?』と、疑問に思う人もいるかもしれません。きっとカルチャーショックを受けることでしょう。
そして次の絶景区間は、観光地としても名高い大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)付近です。列車は四国を潤す吉野川沿いを進み、荒々しい川面とV字谷を眺めることができます。さらに山間を進んでJR四国の最高地点の駅・繁藤駅を過ぎると、列車は一気に下って高知平野に。四国の大きさと自然の豊かさとを味わえる路線です」
【高徳線(高松~徳島)】
「ハッと息を呑むような絶景こそないものの、しみじみとローカル線の良さを感じられるのがこの高徳線です。高松駅を出ると、車窓はすぐに住宅と田んぼや畑が混在する郊外の景色に変わり、途中『オレンジタウン』という珍しい駅を過ぎると、讃岐津田~鶴羽間では播磨灘が望めます。
全線を乗り通すと2時間以上かかる高徳線ですが、『ここだけは見逃せない』という区間がないので、ウトウトするのもこれまた良し。ふと目覚めた時に目の前に広がる田んぼや自然、鄙びたローカル駅を見れば、きっと『鈍行列車に乗る幸せ』を感じることができるでしょう」