東証2部銘柄は時価総額が250億円に満たないという理由だけで東証1部に上場できなかっただけで、IPO時点でその他の東証1部基準は満たしているケースがほとんどだ。そのため、上場1年後にその形式基準を下回っていないことに加え、時価総額が40億円であれば、非常に簡易な上場審査で1部昇格が可能になる。つまり、東証2部銘柄は「1部昇格に最も近い銘柄群」といっても過言でないのだ。
実際、2014年、2015年に東証2部にIPOした19銘柄のうち、現在までに13銘柄が東証1部への市場変更を果たしている。しかも、新興市場銘柄と違って、ほとんどの東証2部銘柄は配当を出している。
もしIPOの中長期投資で大きなリターンを狙うなら、キャピタルゲインに加えてインカムゲインも期待できる東証2部銘柄に注目しない手はないだろう。
■西堀敬:投資情報サイト「東京IPO」編集長などを経て、現在は「IPOジャパン」編集長(https://ipojp.com/)。IR説明会、セミナーなども多数行なう。著書に『最新版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』など。