【山陽本線(広島~新山口)】
「山陽新幹線が並行して走る山陽本線は、神戸と北九州の門司を結ぶ中国地方の大動脈。全長500km以上という長大な山陽本線は、瀬戸内海沿いを延々と走りますが、海沿いの景色を楽しめるのが広島以西です。
広島を出発すると、程なく通過するのが宮島。さらに岩国を過ぎて柳井まで海岸線を走ります。その後、一旦海辺の景色とはお別れになりますが、徳山を越えると再び瀬戸内海沿いを進み、オーシャンビューを楽しめます。ベストを選ぶなら大畠駅付近、戸田~富浦間あたりになるでしょうか。
山陽本線は一定の間隔で大きな街があり、列車の本数も多いので、途中下車をして街を散策したり、駅弁を調達したりと、鈍行列車旅を楽しむにはぴったり。18きっぷ旅未経験の方が思い浮かべるような“ローカル線の旅”がきっと楽しめると思います」
【三江線(三次~江津)】
「この線を絶景路線に入れるのは“反則”なのかもしれません。なぜなら三江線は、2018年春に廃線が決定してしまっているのです。しかし沿線には、『これぞローカル線』とでも言うべき味わい深い景色が広がります。
沿線の風景とは無関係ですが、三江線の歴史はまさに苦難の連続でした。三次と江津の両側から建設が始まったのは1926年のこと。徐々に線路が延び、「三江北線」「三江南線」の2線が繋がったのは1975年。しかしその後も豪雨でたびたび長期運休を強いられ、2016年に廃止が決定。来年4月1日を最後に、その歴史に幕を下ろすことになりました。
線路は広島県と島根県の山間を進み、途中からは江の川沿いを延々と走ります。全線を乗り通しても、聞いたことがある地名がない、という方が多いでしょう。旅行者にとっては再び訪ねる機会もほとんどないエリアかもしれませんが、廃線が決まった沿線の風景を是非とも目に焼き付けて下さい」