【久大本線(久留米~大分)】
「久留米と大分を結ぶ久大本線は全線141.5km、九州を文字通り横断する長大な路線ですが、絶景が連続する上に立ち寄りスポットも多く、18きっぷ旅にはぴったりです。
久留米を出発した列車は筑後川に沿って進み、程なく到着する小京都・日田は、古い街並みが広がり、温泉が楽しめます。そして北山田~豊後森間では、まるで切り株のような、その名も『伐株山(きりかぶさん)』が面白く、『豊後富士』と呼ばれる由布岳を眺めながら進めば、由布院に到着します。これ以外にも沿線には温泉がいくつもありますので、ローカル線&温泉の旅が楽しめます」
【大村線(諫早~早岐)】
「大村線は、長崎県の2大都市である長崎と佐世保を結ぶ線。諫早と早岐はそれぞれ『いさはや』『はいき』と読みます。
諫早を出ると、まず到着するのは路線の名前にもなっている大村駅。大村湾に浮かぶ長崎空港は大村が最寄り駅で、車窓からも空港を見ることができます。そして列車は大村湾沿いを進み、松原~小串郷まで、穏やかな海の景色を長い間楽しんだ後に到着するのは、九州を代表する観光地・ハウステンボス。終着駅の早岐の近辺には、佐世保、有田、伊万里、武雄温泉など、見どころも多く、それらと組み合わせて楽しむと、旅に広がりが生まれそうです」
【肥薩線(八代~隼人)】
「全線124.2kmもあり、列車の本数が少ないため、全区間を乗れば半日が潰れてしまう肥薩線ですが、見どころが多く、乗客を飽きさせません。八代~人吉間は、九州を代表する河川・球磨川に沿って列車は進みます。途中駅の『一勝地』は、受験生やスポーツ選手などが入場券を買い求めることでも知られています。
人吉~吉松間は、「全区間が絶景区間といっても過言ではない必見ゾーン。線路が巨大な円を描く『ループ線』、列車が行ったり来たりを繰り返す『スイッチバック』など、珍しい線形が連続し、多くの鉄道ファンを集めています。
そして吉松~隼人間は、到着した駅の駅舎に要注目。中でも嘉例川駅は、まるで映画のセットのような木造駅舎がいまだに使われており、駅舎は登録有形文化財に指定されています。ローカル線の醍醐味が様々な形で凝縮されていますので、18きっぷ旅の初心者には打ってつけではないでしょうか」