まさに「夏草や兵どもが夢の跡」といえるかもしれない。ここにきて日経平均株価が若干下振れるなか、材料株を中心に取引する「イナゴ投資家」と呼ばれる個人投資家たちが壊滅状態に陥っているという。
「イナゴ投資家」とは、材料株に群がって短期で回転売買を繰り返す個人投資家の通称で、一気に集中し、あっという間に離散するその投資行動がイナゴの動きになぞらえられている。
例えば、ゲーム関連の材料株として一気に注目が高まったアエリア(3758)は6月の2000円台から7月4日には3730円の高値をつけたが、その後、再び2100円台へと舞い戻ってしまった。同じくenish(3667)は7月20日には3760円とわずか1か月ほどで株価が2.5倍に膨らむ急騰を見せ、サイバーステップ(3810)も6月27日の高値7980円まで1か月足らずで3.2倍もの爆騰ぶりを見せたが、いずれもその後急落している。
フィンテック(仮想通貨)関連の材料株でも、トレイダーズホールディングス(8704)はそれまでの150円台から7月10日には365円、インフォテリア(3853)も750円台から7月6日に1745円と2倍以上の爆騰を見せたが、いずれも株価は元の水準まで下がり、“宴”は終わった格好だ。