中国鉄鋼工業協会が価格の沈静化を促して下がらなければ、国務院が直接、関与するであろう。鉄鋼で価格急騰が問題視されたということは、遅かれ早かれ、石炭でも、非鉄金属でも同じことが起こるだろう。相場付きは変わりそうである。
14日(月)の上海総合指数は、北朝鮮情勢に新たな変化がなかったこと、国際市場が安定したことなどから、一旦リバウンドし、0.9%上昇した。韓国総合指数も0.6%上昇と、弱いながらも持ち直している。
アメリカと北朝鮮が軍事衝突する可能性は依然としてわずかであろうが、韓国、中国の投資家が意識し始めたことが気にかかる。この問題が沈静化すれば、戻り歩調となるだろうが、事態は不可逆的に悪化しているような気がする。北朝鮮情勢の悪化を甘く見ない方がよさそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。