バランスシート縮小がNYダウに対して与える影響
バランスシート縮小が相場に対してどのような影響を与えるのか、ということを考える前に、まずはNYダウに関する現在の相場状況を簡単に振り返っておきましょう。
ここ最近、NYダウの相場で売りから入る方が多いと聞いています。「これだけ新高値更新が続いているのだから、さすがにそろそろ下落するだろう」と考えて、売りポジションを持つトレーダーが多いということですね。
ただ、それでも今の段階でNYダウが大幅に下落する状況には至っていません。なぜでしょう? それは売りポジションに対する買い戻し決済が入ってきているからです。「もう下落するだろう」と考えて売りポジションを持ったものの、むしろ相場が上昇してしまい、ロスカットをするトレーダーも少なくないようです。そして大量の買い戻し決済が入ってきて、NYダウを上に持ち上げているのです。
つまり、新規買いに加えて買い戻し決済が積み重なることで相場が上昇し続けている、ということです。ちなみにこういった相場状況を「踏み上げ相場」と呼びます。
しかし、もし今後バランスシート縮小が開始されれば、こういった傾向は崩れることが考えられます。なぜなら、バランスシート縮小が開始されることで米国債の10年利回りが上昇し、それがドル買い要因になり、為替相場がドル高の方向に動く可能性が高いと考えられるからです。