2015年9月の自民党総裁選で無投票再選された安倍晋三・首相は、第3次安倍改造内閣の発足時に「ニッポン一億総活躍社会」のスローガンを掲げ、「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」という“新・三本の矢”を打ち出した。
ここでいう社会保障の「安心」とは高齢者のためではない。安倍首相は会見でこう語った。
「社会保障は、高齢者の皆さんのみならず、現役世代の『安心』も確保するものでなければならない」(2015年9月24日)
これが「働き方改革」の出発点となった。自民党一億総活躍推進本部は、「高齢者」の定義見直しに動き、次のような「シニアの働き方の提言」をまとめたのだ。