「東証1部上場企業に比べて地味で、新興企業の多い東証マザーズと比べると古い銘柄が多く、これまで見向きもされてこなかった銘柄が多いのも事実。しかし、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的マネーがTOPIXや日経平均を構成する大型株を買い支えて『官製相場』にしてしまった結果、1部銘柄がほとんど動かなくなり、割安に放置されてきた2部銘柄に注目が集まるようになった。また“イナゴ投資家”が群がってきた新興株もここにきて次々と値崩れを起こし、いわば東証2部は投資家にとって“ラストリゾート”となっているのです」
東証1部が官製相場と化し、新興市場で材料株が値崩れするなか、これまで見過ごされてきた2部銘柄に熱い視線が注がれているというのだ。
実際、鴻海傘下で業績改善が進むシャープの株価は昨年の2部降格時の92円から今年4月には500円台と5倍超も高騰し、8月に入ってからも400円近い水準にある。ほかにも2部ながら知名度の高い銘柄としては、たとえばフマキラー(4998)が強い毒を持つヒアリの上陸で株価は7月に急騰したほか、ヱスビー食品(2805)も7月末に発表された第1四半期決算が好感されて株価はそれまでの7000円以下から8月8日には8300円の上場来高値をつけるなど、業績が株価に素直に反映される好循環が見て取れる。
「それら以外にも業績好調ながら割安な2部銘柄はまだまだあり、実際、ここにきて国内外の年金マネーが中小型株に群がっているという見方も広がっています。当面はこの活況が続きそうです。