ソニー(6758)市場平均予想(単位:百万円)
企業概要
日本初の携帯ラジオやウォークマンなど新しい商品を生み出し、業界に新たな価値を提供してきた電気メーカー大手です。
業績不振が続いてきた同社ですが、「規模を追わず価値を追う」の考えの下、高収益体質を目指して構造改革に取り組んできました。競争の激しいテレビやデジカメは高付加価値製品を中心とした利益重視型へ、競争で勝算が見込めないPCは撤退、というように。
またその一方で需要が見込まれる分野には投資を行ってきました。プレイステーション4(PS4)は普及拡大、イメージセンサは生産ライン増強。こうした一連の構造改革が成功し、やっと業績に表れてきたようです。
イメージセンサについては、スマホでの需要が鈍化する一面もありますが、スマホの高機能化に伴う需要増は引き続き継続する見通しです。同社は微細、裏面、積層の技術に強みを持ち、大量生産を実現していることでグローバルでの優位性を維持しており、需要拡大を追い風にその強みを発揮できる環境だと思います。
従来カメラなどの映像用途が主要でしたが、自動運転やドローン、医療などの分野に領域を拡大しており、需要拡大に伴い好調な状況が続く見通しです。
注目ポイント
通期の見通しはこれまでと同様金融分野での安定収益をベースに、プレイステーションビジネスの好調によるゲーム分野、イメージセンサをけん引役に増収増益となっています。
本業での増収、それに為替も円安影響があるにもかかわらず、通期利益は上方修正していませんので、上振れの余地があります。
株価はイメージセンサ、ゲームを牽引役とする利益成長を評価する形で伸びてきたと見られ、そうした部分は織り込んでいると思います。メーカーの生産動向によっては一時的な調整もあるかと思いますが、グローバルでの技術優位性を持っていることから中期的には伸びる余地があると見ています。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ)1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。著書に『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。