米ドル/円だけでなくユーロを絡めた取引も
羊飼いのトレードは、低いレバレッジで中長期的に保有するポジションと、日々のスキャルピング(※①)のポジションを明確に分けている。以前から中長期用のポジションは米ドルだけでなくユーロや豪ドルに分散していたが、今後のドル高期待やユーロ安への懸念から14年末までにそのほとんどを米ドルに替えている。
今後、米ドルが117円から115円程度まで押し目をつけることがあれば、中長期用のポジションをさらに積み増すつもりだ。
一方、短期のトレードもアベノミクスが始まって以降は通貨ペアをほぼ米ドル/円にしぼり、わかりやすい上昇トレンドが発生した時に素直に乗って米ドル円をロングしていく順張り投資を基本にしている。売ったり買ったりを器用に使い分けるのは難しいと感じているので、調整局面ではショートで勝負するより短期トレード自体を休むことが多い。
しかし、今年の相場では別の戦略もあると考えている。米ドル、円に加え、ユーロを絡める売買だ。というのも今年からECB(欧州中央銀行)も量的金融緩和に踏み切っており、強いユーロ安トレンドが発生しているからだ。米ドルと並ぶ主要通貨であるユーロにわかりやすいトレンドができている以上、これを利用しない手はない。
たとえば、米ドル/円が上昇基調にあるとき、その要因はドル高、円安、あるいはその両方が考えられる。このとき、ユーロ/円も合わせてチェックしてみよう。下落基調にあるようなら、ユーロは米ドルより弱い円よりもさらに弱いということになるので、ユーロ/ドルをショートするとかなりの利益を期待できることがある。
逆に、米ドル/円の上値が重かったり下落基調にあるような場合、その要因はドル安か円高、あるいはその両方だ。もしこのときユーロ/ドル相場が弱いようなら、円はユーロに対して相当強いと考えられる。だったら、ユーロ/円をショートするのが最も効率的に利益をあげられることになるのだ。
この3通貨はいずれも金利が非常に低く、ショートする場合でもスワップ(金利差)の支払いもあまり気にする必要がないのも取引しやすい。