株式市場全体を牽引するような注目テーマが乏しく、日経平均株価もジリジリとした展開が続いているが、時価総額の小さな小型株の中には爆騰期待の銘柄も少なくない。カブ知恵代表・藤井英敏氏が「1年で株価倍増も狙える」と注目しているスマホ充電関連の小型株を紹介する。
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ますます注目が高まるスマートフォンのワイヤレス(非接触)充電関連で有望なのが戸田工業(東証1部・4100)。磁器の絵付けや漆器、歴史的建造物などに欠かせない顔料であるベンガラ(酸化鉄)製造業として創業200年の歴史を有する粉体金属化合物の素材メーカーである同社は、プリンタや複写機のトナー用材料、自動車用リチウムイオン電池正極材料のほか、スマホ向け非接触充電器用の部品となるフェライトシートを手がけ、これが注目材料だ。
現在、Qi(チー)という無線充電技術が確立されており、スマホやモバイルバッテリーに充電ケーブルを接続することなく充電できる新たな充電器を今後、スマホメーカー各社が相次いで売り出していくと見られる。そうしたなか、同社のフェライトシートは優れた磁気特性を有し、高い充電効率と薄型化を実現する最適なデバイスとされる。
同社ではフェライトシートの生産を強化し、2017年より急拡大させていく予定だ。これを受けて、今期(2018年3月期)業績は売上高が前期比23.7%増の345億円と大幅増収予想に加え、営業利益、経常利益、純利益はともに前期の赤字から黒字転換を見通す。コスト削減や生産性の改善にも取り組み、すでに第1四半期(2017年4~6月期)で前年同期と比べて大幅な増益を達成。業績のV字回復は必至の情勢だ。