ヤマハ発動機 (7272)市場平均予想(単位:百万円)
企業概要
二輪で世界第2位、船外機で世界シェアトップ企業
楽器のヤマハから発祥。二輪で世界第2位(世界180を超える国・地域で580万台を売り上げています)、船外機で世界シェアトップ。小型エンジン・FRP加工技術で、二輪、船外機、特機、産業用機械・ロボットなど事業の多角化を進めています。高回転・高出力エンジン開
発を得意とし、トヨタにエンジン供給しています。
セグメントは主力の二輪、マリン、特機、産業用機械・ロボット、その他(自動車用エンジン、コンポーネントなど)。海外売上比率が9割で為替影響受けやすく、円安が追い風となっています。
二輪事業はアジア比率が高く、船外機・特機は北米が中心となっています。売上構成比では二輪車事業が主軸ですが、営業利益ではマリン事業がドライバーとなっています。マリン事業の好採算性が伺えます。
注目ポイント
同社の最大の利益を占めているマリン事業に注目したいと思います。
【通期 セグメント別売上高(億円)】
2014 2015予 増減 14年構成比
二輪車 9,776 11,000 12.5%増 64.3%
マリン 2,764 3,000 8.5%増 18.2%
特機 1,422 1,700 19.5%増 9.3%
その他 1,251 1,300 3.9%増 8.2%
合計 15,212 17,000 11.8%増 100.0%
【セグメント別営業利益(億円)】
2014 2015予 増減 14年構成比
二輪車 229 350 52.8%増 26.3%
マリン 458 610 33.2%増 52.5%
特機 65 105 61.5%増 7.5%
その他 120 135 12.5%増 13.7%
合計 872 1,200 37.6%増 100.0%
同社は、船外機やウォータービークルで世界シェアトップ。二輪事業のノウハウを活かし事業拡大に成功しました。船外機は向上で大量生産することができ、さらに大型化を進めることで一台当たりの売上高が増大する規模のメリットを活かした事業となっています。
マリン事業の主力市場は北米ですが、景気回復により出荷台数が伸長しています。船は娯楽や趣味で買われるため、顧客は富裕層が多く、ここ数年の北米経済の回復により需要が増加したのだと考えられます。
逆に、リーマンショックの煽りを受けて需要が激減、2009年12月期には赤字に転落しましたが、同社は構造改革によって危機的状況から脱しました。
マリン事業だけではなく、全体で生産体制を再編し、工場の一本化を進めました。2009年に12工場・25ユニットだった体制を、2014年には8工場・16ユニットに、そして2015年に6工場・13ユニットに圧縮。この構造改革効果は2009年比で200億円と言います。
同社はコストダウン戦略を掲げていますが、この時の苦労が今も戦略に活かされ続けており、高い営業利益率の実現に繋がっているのだと思います。
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