後日、送られてきたクレジットカードの明細を見ても、確かに引き落とし額は5000円。この数字を見た瞬間、Aさんの中で静かにスイッチが入った。
「ずっと倹約して子供の進学資金を貯めてきたので、長らく自分のための買い物は封印してきました。でも、月にこれだけの額でいいのなら、礼服に合わせる靴も買えるし、古びたバッグも新調できる。同窓会にも新しいワンピースで出席できる。そう思って、いろいろな物を買ってしまったんです」(Aさん)
Aさんのカードの利用限度額は50万円。すぐにその枠を使いきった彼女は、別のクレジットカードを作り、リボ払いで買い物を続けた。
「結局、計4枚のカードを作り、2年間リボ払いを続けました。ある日、ふとカード明細を見ていると、ずっと前の買い物の支払いを延々と続けていることがわかって…。カード会社に電話したところ、私の返済残高が300万円以上になっていたんです」
そこで初めてAさんは事の重大性に気づいた。このままだと、全額返済するまでに何十年もかかる。
「夫に打ち明けると、案の定激怒されました。家のことは私に任せてきた人なので、当然です。すぐにカード会社に連絡して支払い方法を変更し、一括で全額返済しました。息子のため、そして自分たちの将来のための蓄えは一切なくなりました」(Aさん)
※女性セブン2017年9月7日号