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避難ルートは部屋の隅の「綱」? 旅慣れた男性も驚いたホテル

 仕事を終え、予約していた宿にチェックインをして荷物を置き、私は同行者と飲みに出かけました。その地方は、海の幸と山の幸がともに楽しめる場所にあり、私はかなりの量のお酒を飲んで宿に帰還。シャワーも浴びずに布団に横になると、和室の部屋の隅に見慣れないものがあります。運動会の綱引きで使うような綱が、畳の隅でとぐろを巻いているのです。

 そこで“不審物”を確認すると、綱の一方は壁から飛び出た突起に括られています。その綱が、どうやら避難に使用するものであることに気づくまでには少々時間を要しました。ちなみに私の部屋は2階でした。

 私は学生時代に山岳部に所属しており、ロッククライミングの心得があります。ロープを使って高いところから降りる「懸垂下降」のやり方も分かります。しかしそれは、たまたま私がそうだっただけで、そのような心得のない人は、たとえ2階からでも綱で降りるのは恐ろしいでしょう。

 あの綱は、私の泊まった部屋だけだったのか? 酔っていてよく探さなかっただけで、部屋には避難ハシゴもあったのか? 翌日の精算時にフロントで尋ねることはしませんでしたが、それ以来、ホテルに泊まる際には避難方法を一応確認するようになりました。

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