では、その法則とはどういったもので、いかにして相場を読み解くのか。今回は、直近ドル円相場を例に、私が実際にどのように相場を読み解いているのか、その手法の一部を紹介させてもらいます。
直近ドル円相場の分析
私は常にテクニカルツールを用いて、相場の動きを読み解きますが、その代表的なテクニカルツールが「移動平均線」です。短期、中期、長期、3本の移動平均線をチャートに表示させて、それらの位置関係を確認します。
例えば8月下旬時点において、ドル円相場の週足チャートで移動平均線を確認すると、短期線が中期線と長期線を下抜いていました。この状態をデッドクロスと言いますが、セオリーでは相場の下落を示すサインです。
ただし、これだけで相場が下落すると決めつけるわけにはいきません。例えば週足だけでなく、月足チャートでも同様に、3本の移動平均線を確認します。月足では中期線が一番下にあり、真ん中に短期線がある状態でしたが、「まだ短期が中期を下抜けていないことからドル円相場はガラガラと下落するような状況には無い」と私は判断しています。ただし、もし短期線が中期線を下回るようなことがあれば、円高への警戒感を持つようにしたほうが良いものと考えます。
また、移動平均線だけでなく、ポイントとなる重要価格も必ず合わせて意識します。例えば、今こちらの原稿を執筆している8月下旬時点でドル円相場においてポイントとなる価格は、4月の安値である1ドル=108.12円です。この価格を下抜けるかどうかが大きなポイントです。