人生いろいろ、金銭感覚もいろいろ。そんな中、「腕時計にカネを使う感覚が分からない」と述べるのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。なぜ、人は腕時計にカネを使うのか。腕時計が好きな知人も多数いるという同氏が、腕時計にまつわる自身の感覚と、折り合いのつかない知人の主張を紹介する。
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大学生の時は時計を持っていたんですよね。ところが社会人4年目の2000年に携帯電話を持つようになってから時計をつけなくなってしまいました。元々使っていた時計も、1500円で買った文字盤に十二支が書かれた妙なモノだったため、そもそも「時間さえわかればなんだっていい」という感覚だったのでしょう。
大学時代のゼミには、時計好きの同級生がいました。彼は途中、長年休学していたためゼミに入った3年生の時は27歳の大人でした。彼はいつも時計の雑誌を持ってきて、世界の高級時計を眺めるのを至福の時間と感じていたようです。自身も50万円する時計を身に着け、次に何を買うかを熱く語ってくれたものです。
私なぞ、50万円の時計と言われたら「学費より高いじゃねぇかよ!」(当時は年間40万円)、「居酒屋『一休』で170回飲める額じゃねぇかよ!」と思っていたのですが、彼にとってはその時計を身に着けている時にたまらなく幸せな気持ちになるのでしょうね。