いまだ史上最安値価格からそれほど大きく上昇していないトルコリラ円相場だが、今後はどういった値動きが予想されるのか。これまでFX(外国為替証拠金取引)で億単位の利益を獲得してきたカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんは、自身も好んでトルコリラ円のトレードを行っている。はたして池辺さんは、現在のトルコリラ円相場をどのように見ているのか? 短期、長期の相場観を語る。
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今回はトルコリラ円相場について、短期、長期の相場観をお伝えします。まず現段階で、トルコリラ円相場が1トルコリラ=20円の方向に大きくガラガラ下落するような状況にはならない、と私は見ています。仮に何かしらの経済ショックが起こり、トルコリラ円相場が大きく下落したとしても4月に開いた1トルコリラ=30円台前半の窓を埋めるくらいのレベルだと想定しています。
万が一大幅に下落したとしても、1トルコリラ=29円台に入った段階で、以前のようにトルコ中銀による為替介入が入る可能性が高いでしょう。そして、もし為替介入が入るとしたら必要に応じて何度も行われます。過去、各国が為替介入を行ったケースを見てもそうでした。かつては日本でも「1ドル=100円を割らせない」ということで、何度も為替介入を行った経緯があります。
ちなみに、トルコリラ円相場を含めてクロス円の通貨ペアは、全体的にドル円相場の動きに影響を受ける傾向がありますが、今のところドル円相場は4月の安値を下抜けて、106円、105円方向に下落するような状況ではありません。その点から言っても今のところトルコリラ円相場も大きく下落する状況にはないと判断できます。