一方、価格はこれまでの製品と比べて高く、1000米ドルを超えると予想されるが、見た目にも、機能的にも大幅な変更となるため、人気化するのは必至であろう。
しかし、iPhone X発売には大きな問題がある。量産が間に合わない。マスコミが伝えた生産元となる鴻海科技集団などからの情報によれば、サムスン電子が供給できる有機ELには限度があり、9月末までに生産できる台数は500万台未満となりそうだ。当初は極端な品不足となりそうだ。
もっとも、生産体制は比較的短期間に整う見込みで、2017年10-12期は3000万~3500万台、2018年1-3月期は4000万台の供給が可能となるようだ。
イギリスのIHSマークイット社調べによれば、全世界における2017年4-6月期のスマホ出荷台数は7%増の3億5090万台(速報値)。第1位はサムスン電子で3%増の7940万台、第2位はアップルで2%増の4100万台、第3位は華為で20%増の3850万台、第4位はOppoで39%増の3050万台、第5位はVivoで45%増の2390万台、第6位は小米で52%増の2320万台である。
この時点では上位2社のサムスン電子、アップルは低い伸び率に留まっており、3位から6位にかけての中国勢が急速に追い上げている。しかし、9月にアップルが新製品を発売、サムスン電子も新製品「Galaxy Note 8」の投入準備を進めている。後者については大型の有機EL画面で、高性能CPU、高解像度デュアルカメラを使用するなど、前機種Note7と比べレベルアップしている。Note 7が発火問題で大きな混乱を引き起こしたことから、サムソン電子は巻き返しに必死である。こうした2社の動きに、中国勢が急ピッチで追従することで、スマホ市場は今後大きく活性化されるであろう。