「還暦を過ぎたら悠々自適」は昔の話。今や、定年を過ぎても働く時代になっている。そこで、先輩シニアワーカーに直撃! 45才から接客業を始め、53才でローソンに入った小林美津子さん(71才)。現在18年目の大ベテランで常連客のたばこの銘柄も覚えているという。
「ちょっと今日元気ないんじゃない? 熱があるの? ちゃんと水分摂らなきゃだめよ」──。
都内ビジネス街のローソンで、レジ袋を渡しながら営業マンを元気づけるのが小林さんだ。経歴を聞くと、45才まで専業主婦だったが、個人商店を営む叔母に誘われ、接客業を始めたという。その後、常連客の紹介でローソンに入った。
「専業主婦時代、PTAの役員などのまとめ役をしていたので、人前に出ることには慣れていました。だから45才で初めて働いた時も、緊張せず、すんなりなじめましたね」
ローソン入店後もすぐに常連客の名前を覚え、たばこを嗜たしなむ常連客が来れば、130銘柄の中からパッと、“いつものたばこ”を渡す。さらに、コーヒーの好みも覚えていると言う。