来年度予算の概算要求で防衛省は過去最大の防衛費を要求しているが、その中に米国製の陸上配備型イージス(イージス・アショア)の導入を前提とした分も盛り込まれているのだ。イージス・アショアの導入には最終的にいくらかかるか分からないし、いったん配備すれば後年度負担が続くことになる兵器を米国は日本に売り込むことに成功したといえる。それは日本だけではない。韓国にも高高度ミサイル防衛システム・THAAD(サード)を売り込むことに成功している。
トランプ大統領が米国経済の中長期の安定を手にする目的で危機を意図的に煽っているとすれば、敏腕ビジネスマンとしての才覚をいかんなく発揮しているといえるだろう。ただし、万が一でもトランプ大統領が狂気の指導者だとすると、現在の軍人を重用している体制は非常に危うい。なぜなら、軍人というのは上官の命令には絶対服従するからだ。もし最高司令官のトランプ大統領が「戦え」といったら、軍人は二言なく戦うのだ。