1人で泊まった部屋で一番広かったのは、北陸地方で泊まった宿で、広さが52平米でした。当時、私は36平米の1LDKの部屋に住んでいたため、その広さに感動しましたが、どうしても落ち着きません。その部屋はオフィスを改装したもので、水回りは明らかに“元給湯室”でした。せっかく部屋が広くても、そこが“オフィス風”では落ち着かないのももっともな話。広さと快適度は比例するものではないようです。
一方、これまで泊まった部屋で一番狭かったのは、中国地方で泊まったホテルの「5平米」でした。その街で一番安い宿を宿泊サイトで予約し、かなり酔っ払ってチェックイン。部屋に入って電気のスイッチを点けた時、あまりの狭さに言葉を失いました。
私は「5畳」だと思いこんでいましたが、ネットで改めて確認すると、確かに「5平米」と記されています。5平米と言えば、正方形でも1辺は2.23メートルで、畳なら3畳分。カプセルホテルには泊まり慣れていますが、「3畳間」というのはなかなかの圧迫感です。
部屋にバスとトイレがないのは了解済みでしたが、冷蔵庫もドライヤーもなく、隣のビルに面していて眺望も一切なく、電気は裸電球で、ベッドでは消せないというオマケつき。究極的に値段が安かったので、文句を言う筋合いもないのですが、部屋の電気を消して手探りでベッドまで行く時には、「せめて枕元にスイッチを……」と思わざるを得ませんでした。