“人気の街”ランキングがしばしば話題になるが、理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で22位にランクインした「藤沢」(神奈川県藤沢市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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首都圏には数多くのブランドタウンが存在しますが、もっとも範囲が広いブランドゾーンといえば「湘南」をおいてほかにありません。「湘南はどこからどこまでか?」を巡っては、長年議論がありますが、憧れの地・湘南の中心といえば藤沢。平塚や茅ヶ崎、2011年にテラスモール湘南が完成した辻堂も栄えていますが、藤沢が一帯で最大の街であることには異論はないでしょう。
最大の魅力は、何と言っても海までの距離です。首都圏最大規模の海水浴場である江ノ島までは、小田急江ノ島線でたった数分。都心まで通える場所にありながら、ほんのわずかな時間、電車に揺られるだけでビーチのリゾート気分を味わえる街はそうそうありません。
駅前の充実度もかなりのものです。北口にはさいか屋、南口には小田急と、2軒のデパートがあり、駅近辺にはビックカメラ、イトーヨーカドー、ダイエー、ドン・キホーテが存在。昭和の香りたっぷりなフジサワ名店ビルやダイヤモンドビルも健在です。県下最大の街・横浜まで出なくとも、あらゆる買い物が藤沢で済みそうです。
鉄道は、JRの東海道線と湘南新宿ライン、小田急江ノ島線、さらに「江ノ電」の愛称でおなじみの江ノ島電鉄が通っています。新宿に出る場合、湘南新宿ラインか小田急かを選ぶことが可能。不通時などには代替路線があるのは心強いところです。