皿の半分まで注がれた大量の「あん」に、隣の客が仰天している。その量は、もはやラーメンのスープに近い。中に浮かぶ黄色い塊は、天津飯。箸を入れると、周りのあんがドバッと中に入っていく。米はベチャベチャ、卵はグチャグチャ。でも肝心のお味は、う、うまい!
東京某所の『餃子の王将』。頼んだ料理は、天津飯の“あんだく”。当然ながら、メニューにはない。
残暑も終わって季節はすっかり“食欲の秋”。この時期、秋の味覚を楽しもうと好みのファミリーレストランやファストフード店まで足を運ぶという人も多いはず。そんな飲食チェーン店で最近密かなブームが起きている。フードジャーナリストの阿左美賢治さんが話す。
「スターバックスやサラダショップの楽しみといえば、メニューを自分好みにアレンジすることですよね。実は今、飲食チェーンでも通常のメニューをカスタマイズした、いわば“裏メニュー”を提供する店が増えているんです。理由は単純で、低価格の均一的なメニューが増えるなか、消費者が“私だけの味”を求め始めたから。それが、SNSで拡散し、“食通”たちの間で大流行しています」
もちろん、裏メニューだけに、存在が知れ渡って皆が注文するようになると店側が対応できなくなり、オーダーを受けつけなくなることも多い。そうした点も踏まえて、誰もが知っている有名店の仰天裏メニューを紹介しよう。