前者の“固定制”については、極端な話をいえば、台風が直撃し、1人しか来られず、チケット販売代金が1500円や2000円しかなかったとしても、その○万円を手にすることができます。こういった会場の場合は、会場ではなくイベントの企画者に進行が委ねられるため、登壇者の人数を増やせば増やすほど、一人分の取り分が減る、ということになります。3人以上登壇する場合は、その後の飲み会の費用に消えるということが多く、こうしたイベントはあくまでも著書のPRや自分自身のトーク力を磨く場所と考えた方がいいでしょう。
後者の“歩合制”の場合は、これは集客力のある人に誘われたらラッキーです。昔、新宿ロフトという300人ぐらいの大箱で、コスプレイヤーのうしじまいい肉さんと、漫画家・峰なゆかさんの悩み相談イベントに呼んでもらえたのですが、これが「えっ? お2人の集客力があっての話でオレなんておまけなのにいいの?」と言いたくなるような額でした。当然会場にはお2人のファンだらけだったので、あの日については恐縮しきりです。具体的金額は避けますが、こうした歩合制の場合は、(チケットが売れた枚数+飲食代)×20~40%÷登壇者人数、といったところでしょうか。なんとなくそれで計算してみてください。
その一方、不可解なものもあります。何らかのコアなファンを持つ「先生」が登場するイベントの場合、チケットが1枚5000円で、中にはVIP席みたいなものがあってそこは数万円なのに、ゲスト登壇者は一律1万~2万円だったりもする。えぇと~、これ、どう考えても売り上げ60万円ぐらいあるよな……。で、オレら2人のゲストに合わせて2万円って……。ということも。
とにかくこうした「喋る仕事」の金額については値段はあってないようなものです。「私は○○円以下では絶対に喋りません」と言い張るのは、よっぽど売れてる人でない限りはやらない方が、今後もお声がかかるようになることでしょう。