年金制度に詳しい“年金博士”こと、社会保険労務士の北村庄吾氏は、「負担増がこれで終わるはずがない」と警鐘を鳴らす。
「2004年の改悪時、政府は『保険料を13年間上げ続ける代わりに100年安心の制度にします』と宣言した。ところが厚労省は、人口や経済の動向などから年金制度が持続可能かどうかを検証する2014年の『財政検証』で、『所得代替率50%を維持するには25.9%の保険料率が必要である』と密かに“軌道修正”しているのです。シミュレーションを提示した以上、国が保険料率の再引き上げを狙っているのは間違いない」
ようやく保険料率のアップが止まると思ったら、〈所得代替率50%の維持〉を名目にまた、国民負担を増やそうというのである。最初から国民との約束を守る気などなかったとしか思えない。
※週刊ポスト2017年10月6日号