取りやすいところから取る
そして、保険料率大幅アップの次に待っているのは、受給開始年齢のもう一段の引き上げとみて間違いない。
本誌・週刊ポストはすでに、安倍政権が75歳年金受給開始を見据えて動き出していることを報じてきた。結局、国民はいつまで経っても年金を受け取ることもできず、上がり続ける保険料を延々と払わされ続けることになるのだ。
そんなペテンで“100年安心だ”と胸を張れるなら、政治家とは、官僚とは、あまりに楽な仕事である。北村氏が指摘する。
「国民年金保険料の納付率は実質4割ですが、国の徴収は下請け任せです。給料から天引きされるサラリーマンを狙い撃ちして、方便を駆使して“取りやすいところから取る”。その姿勢こそが行政不信を招き、年金制度を揺るがせている」
「嘘つきは泥棒の始まり」なら、国は大泥棒ではないか。
※週刊ポスト2017年10月6日号