田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国の半導体産業、今後10年で黄金期を迎える見通し

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 中国は現在、グローバルでみると半導体の消費大国であるが、大半を依然として輸入に頼っている。中国の半導体産業が国産化を進めることで巨大な投資機会が生まれるはずである。

 あるファンドマネーシャーは、「科学技術の進歩は、ハード面での革新から始まり、ソフトウエア、情報コンテンツ、ビジネスモデルの革新へと移っていく。中国は毎年、60万人の半導体関連エンジニアを育てているが、アメリカは6万人に過ぎない。こうしたエンジニアの数の差によって、次世代半導体の革新を成し遂げるのは中国となる可能性がある。嗅覚の鋭い機関投資家は早々に産業連鎖上にある銘柄の発掘を始めている」などと分析している。

 また、招商証券アナリストは、「半導体産業の中国への大移動が始まっている。今後10年で中国は数兆ドルを超える資金を半導体産業に投入し、半導体生産ラインが集中的に建設されるだろう」などと分析している。

 市場調査会社CCIDの報告書によれば、2016年の全世界における人口知能用チップの市場規模は293億ドルだが、2020年には1200億ドルに達し、年平均伸び率は20%になると予想している。NVIDIA、AMD、XILINX、Googleなどのデータから、人工知能用チップ市場の規模を推計すると23.88億ドルで、人工知能市場全体の8.2%を占める。2020年にはチップ市場は146.16億ドルとなり、人工知能市場の12.2%を占めると予想される。こうしたデータを見る限り、人工知能用チップの成長余地は大きい。

 スマホは現在、電子産業の中で、最も柔軟な端末であるが、AI産業を発展させる最も重要な製品である。AIチップの搭載が進むことで、スマホの機能向上はさらに加速し、それによってスマホの更新が進むといったことが繰り返されるだろう……。

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