「売られすぎ」という観点で最も注目すべきセクターは、ホテル系(ホテル特化型)銘柄だ。ホテル系は市況もよく、収益面も今後当面は順調と思われる。投資先として、ホテル系は全体的に割安感がある。
たとえば、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)は、主要スポンサーがシンガポール系ファンド会社のため、外国人投資家が売ってくると価格が下落する局面がよくみられる。9月下旬現在、同銘柄は1口7万円台前半で投資でき、Jリートの中では投資しやすい水準だ。仮に7万3000円で投資した場合、分配金利回りは4.92%。金融緩和で支えられている面もある現在のJリート市場に投資する際は、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙うのが王道だが、現在の市況下で仕込めば2~3年保有して分配金などインカムゲインを狙う戦略も有効だろう。
基本的にJリートは、購入時より10%以上、価格が上昇したら利益確定のタイミングと考えていいだろう。しかし、値上がりしている局面では、「もっと上昇するのでは」と心理的に売却に動けない人も少なくないはずだ。2~3口購入しておくと価格上昇局面で1口売って売却益を確保し、残りの保有口でさらなる値上がり益と分配金を狙うといった機動的な動きをしやすくなる。中長期的に保有するスタンスの場合、分配金や売却金に税金がかからないNISA(少額投資非課税制度)口座を利用するのもよいだろう。
住宅系よりもホテル系、オフィス系、物流系に投資妙味
ホテル系では、分配金が今後増える可能性がある森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)にも注目したい。2017年に上場したばかりで、現在4物件しか所有していない。だが、スポンサーの森トラストは地方に多くの物件を保有しており、そうした物件がこれから組み入れられてくるようなら増配も期待できる。