綜研化学(4972)市場平均予想(単位:百万円)
企業概要
同社は粘着材というニッチな分野でトップポジションを築いている化学メーカーです。顧客の要望に応えるべく、マーケティングから研究開発、製造、販売からサポートまで、全てのプロセスを自社内で行っており、オーダーメイド形式による製品開発を強みとしています。
1948年の創業から培ってきたノウハウを武器に、偏光フィルムメーカーなど大手企業を主要顧客にもっており、市場ポジションに加え、顧客基盤もしっかりしています。
注目ポイント
足元の業績は、中国での液晶や電子材料用途で想定以上の推移となっており、コスト削減努力も奏功して原材料価格上昇も吸収してしまう勢いとなっています。18/3期の業績予想はすでに上期予想が引き上げられており、通期業績の上方修正や増配への期待感が高まっています。
世界経済の改善を背景に製造業の生産活動が活発化しており、さらには素材や技術のイノベーションが起こっている中では、同社のような化学製品は、その恩恵を享受する立場にあります。
素材や化学、材料分野での需要が増していることから原料価格が上昇してきていますが、それでも旺盛な需要に支えられる形で、販売増が見込まれる環境です。
同社もその一社で、粘着材などのニッチな分野でトップのポジションを築いているのですから、追い風は強く吹きそうです。
こうした良好な事業環境の中で、同社の市場ポジション、顧客基盤、足元の業績を考慮すると、現在の株価水準は割安だと判断します。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ)1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。著書に『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。